地下経済 ランキング!

地下経済 日本の地下経済―脱税・賄賂・売春・麻薬 (講談社プラスアルファ新書)

経済に関する本は多々あれど、「地下経済」という「裏」の経済にスポットライトを当てているのは、この本が初めてではないでしょうか。難しい内容かなぁ、と少々不安でしたが、実例がふんだんに掲載されているので大変わかりやすく、素人でもすいすい読める内容でした。おまけに、「えぇっ!まじ!?」ってな感じの情報が一杯で、読み終わるまで、驚きの連続です。経済嫌いの若者が増えている昨今ですが、大学でこういう講義があったら、学生も殺到するんじゃないかなぁ…。私の中では久々のヒット作品。一読の価値あり!です。 日本の地下経済―脱税・賄賂・売春・麻薬 (講談社プラスアルファ新書) 関連情報

地下経済 地下経済―この国を動かしている本当のカネの流れ (プレイブックス・インテリジェンス)

不良債権処理、不祥事、癒着などいつまでたっても解決しない負の部分を作者の経験談を交えて分析している。その根底には見苦しい人間の本質があり、これをどうにかしないと、ポジティブな方向へ行かないとしている。なるほど、と関心。いくら高度な経済学を持ってきても、この本にはかなわないであろう。 地下経済―この国を動かしている本当のカネの流れ (プレイブックス・インテリジェンス) 関連情報

地下経済 日本「地下経済」白書(ノーカット版)―闇に蠢く23兆円の実態 (祥伝社黄金文庫)

お台場に、合法的ギャンブル施設をつくるという話が再浮上しているようだ。話題になるのは、ギャンブルが一般には影の存在であり、何がしかのの後ろめたさを感じる代物であるからだろうか? でも、そもそもギャンブルって人間らしい行為で、かつては影の存在でもなかったはずだ。たまたま現代の倫理観から外れ影に追いやられ、徴税対象からも外れて、いつの間にか近代社会の中では非合法の存在となったような気もするが、どうなのだろう? お台場のギャンブルがきっかけとなり、いわゆる「地下経済」が気になり始めて、手に取ったのはこの本。出だしは、いわゆる風俗産業の話から。地下経済の花形?であり、多くの読者の関心が集まるトピックでもあろうから、当然と言えば当然。週刊誌ネタに流れていくかと思いきや、この本の視点はいわゆる週刊誌のそれとは少々異なっていた。ここが面白い。筆者の門倉貴史さんは、現在はBRICs経済研究所の代表を務めるBRICs経済や地下経済の権威で、この本の執筆当時(オリジナルは2000年に出版され、僕が読んだのは一部改訂の2005年版)は浜銀総合研究所で働いていたバリバリの経済リサーチャーであった。この本も至る所に、経済分析手法や統計的手法が馳駆しされている。そもそも地下経済自体の規模すらつかめていない対象に対して、経済学的手法でその規模算定をしている点が面白い。たとえばソープランドでは、待ち行列理論(M/M/S型)を用いて、平均待ち時間と店舗数の統計資料から、その地下経済規模を、2004年当時で9804億円規模と算出している。同様に経済的手法を馳駆して、日本の地下経済規模を約22.4兆円、名目GDPの4.4%(2004年当時)の規模であると算出している。ちなみに、2011年の日本のGDPは、約537兆円で、同じく国家予算は、日本の国家予算2010年約215兆円。地下経済のそれなりの大きさが実感できる。一方で、こういったスキャンダラスな数字を羅列するだけではなく、実は日本の地下経済の7割がいわゆる脱税によるものであることも明らかにしている。ビジネスモデル自体は合法だが、最後の調整のところで地下化しているもので、地下経済のほとんどが占められているわけであり、非合法の風俗業やギャンブルによる地下経済の規模は、実は名目GDPの1.5%程度にとどまっているということだ。この本には、地下経済に関わる思想的、文化的記述はないが、オランダが売春を合法化することで、人身売買などより非人道的な犯罪の撲滅などを進めている事例なども示されている。門倉さんは、地下経済を現在の倫理観、経済構造に照らし合わせ見直し、必要なものは地上化する視点を持つべきことを主張されているのかもしれない。(とはいえ、売春の合法化を肯定しているわけではない。)一方で、窃盗から非合法ギャンブルまでの地下経済をくまなく集めてみても、その経済規模はGDPの1.5%にしかすぎない。現在の倫理観に照らし合わせ、ギャンブルの一部を合法化してお台場に据えることはいいだろうが、それがもたらす経済的インパクトを過信してはいけないような気がする。話題にはなろうが、継続性や発展性には乏しいのではなかろうか。ビジネスモデルの視点から、ラスベガスやマカオの状況を学ぶ必要がありそうだ。 日本「地下経済」白書(ノーカット版)―闇に蠢く23兆円の実態 (祥伝社黄金文庫) 関連情報




Loading...


ここを友達に教える