会見 ランキング!

会見 ルポ東京電力 原発危機1カ月 (朝日新書)

本書は福島原発の現地を取材したルポではない。
東電の東京本社の一連の記者会見(事故後の50日間)を再現したものである。

本書からは、確かに、東電の隠ぺいと責任逃れの態度が透けて見える。
情報を小出しにし事故を小さく見せようとするだけでなく、質問をはぐらかし確認作業を怠る不遜な態度も読みとることができる。

著者の解釈や主張はあまり挿入されていない(著者は、東大原子力工学科卒の朝日新聞記者)。
あくまで「記者」たちが何を質問し、東電関係者がどう返答したかを中心に編まれている。
テレビ、新聞で報道されてこなかった会見での「やりとり」が記録されているので、
資料的な価値はあると思うが、本書からは切迫感が感じられない。
(この著者にとっては、「切迫感」など意図するところでないかもしれないが…)

こと原子力発電に関しては、著者が学生時代に受けた面接で面接官に語ったような“バランス感覚”はもはや無用である
だけでなく、有害ですらあるといえるだろう。
今や、原発や放射能と共存できるなどと言う人は、情報操作されているバカか、御用学者と原発フィクサーくらいのものである。
(念のため付記しておくが、本書で著者が「共存しましょう」と唱えているわけではない。)

福島第一の原発事故は、東電と歴代自民党政府による人災である――本書を読んで改めてこの思いを強くした。

なお、本書と同じ朝日新書から『FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)』(広瀬隆)
という本が出版されている。
まだ読まれていない方には、同書の一読をお薦めしたい。
ルポ東京電力 原発危機1カ月 (朝日新書) 関連情報

会見 マスコミ対応緊急マニュアル―広報活動のプロフェッショナル

想像以上に実用的な本だった。
リスクマネジメントうんぬんなどの前置きは
ほとんどなく、「で、どうすればいいの?」に
ダイレクトに応えているのがいい。
チェックリストや図表が多く、わかりやすい。
記者から聞かれたくないことを聞かれた際の
返し方や、緊急記者会見の開き方など、そこが
知りたかったという情報がまとめられている。 マスコミ対応緊急マニュアル―広報活動のプロフェッショナル 関連情報

会見 会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫)

ダイエーに関する佐野真一氏の著作を読んだ時と同じ怒りが湧き起こった。経営トップの欺瞞と保身、不作為、秘密主義、一般社員の事なかれ主義と思考停止。日本の企業倒産を見ていると、必ずそこに犯罪が存在している、と言って言いすぎならば、経営者の判断ミスの重なりと御家騒動がある。一握りのお友達グループが実験を握り、秘密主義とお手盛りを繰り返す。いつになったら、日本企業は社会のものになるのだろうか?暗澹たる読後感と同時に、読売新聞社会部の記者たちの熱意が救いである。 会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信 (新潮文庫) 関連情報

会見 生涯最高の失敗 (朝日選書)

 著者のノーベル賞受賞は日本中から好感をもって迎えられた。あれから1年、いま改めて本書を読むと、ほほえましい興奮の瞬間が想起され、どうかすると自分が賞を貰ったような気分にもなる。この人の人柄がそれだけ親近感をもたせるのであろう。

 受賞が決まつた日、小柴昌俊氏のノーベル物理学賞のニュースを見て「すごいな」と思いながら出勤する。夕方帰り支度をしているところへ外国から電話があり「コングラチュレーション」と言われる。何のことか分からぬまま、同僚の仕組んだ「びっくりカメラ」ではないかと想像しながら「ありがとう」といって電話を切る。

「それからが大変でした」。職場に50台以上ある電話がいっせいに鳴りはじめ、いったい何が起こったのか、わけのわからぬまま驚きと喜びの渦の中へ巻きこまれてゆく。

 3年前だったか、イチローがメジャーリーグへ移った最初の年、あこがれのオールスターゲームを見たくて入場券を買っておいたところ、自分が第1位に選ばれてしまったという話を淡々と語っていたが、両者相通ずるような気がする。

 本書の中に、ノーベル博物館の館長が語る「個人が創造性を発揮するために重要な」要件が掲げてある。「勇気」「挑戦」「不屈の意志」「組み合わせ」「新たな視点」「遊ぴ心」「偶然」「努力」「瞬問的」「ひらめき」だそうである。この9項目を、著者は「ソフトレーザー脱離イオン化法」を発見した時の自分に当てはめて、「しかし、よく考えると、これは普通誰もが持っている性質ばかりではないか」。つまり独創性は、天才だけの特別なものではなく、誰にでもあるのだという励ましの論理が展開されているのも嬉しい。
 生涯一エンジニアをめざす著者の、しかし、なかなか真似のできない人柄と能力と幸運とが、ケレン味なく語られている。 生涯最高の失敗 (朝日選書) 関連情報

会見 昭和天皇・マッカーサー会見 (岩波現代文庫)

著者の本は幾冊か読んでいるが、特にこの本の昭和天皇論は実証的、説得的であり、しかもタブーに批判の矢が届いている。著者も最後に書いているが、皮肉なことに昭和天皇が残したものの中で、今上天皇がアジアに開いた日本国憲法の戦後民主主義の理念を最も忠実に実践している時代になった。 昭和天皇・マッカーサー会見 (岩波現代文庫) 関連情報




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