帝国海軍将官入門―栄光のアドミラル徹底研究 (光人社NF文庫)
80年で幕を下ろした帝国海軍を率いた提督たちに焦点をあてて、その制度・人事・組織・教育について、さらには給与や食事メニューまで104項目に分けて細かく解説。著者は相当膨大な資料、統計、記録を収集して整理、解析、分析を加えている。日本では「提督」とは呼ばれた海軍軍人の階級は実は少将・中将・大将の三ランクしかなく元帥は称号ではあっても階級ではなかった。他国では准将・少将・中将・大将・上級大将・元帥・国家元帥など豊富だったけれども。
砲術・航海・水雷・航空などの兵科だけでなくかなりの頁を割いて紹介されているのが、機関科・主計科・軍医科・法務・造船・造機・造兵・技術や文官など従来あまり脚光をあびない専門家集団に属した提督たちである。
色々勉強になる事項が多いが、例えば昭和10年には10万人の海軍軍人のうち中将は34名だったのが昭和19年総員130万人のうち92名とインフレ傾向にあったこと。当時の中将の年俸は5800円だったと聞いても今日との比較は難しい。昭和2年の司令官ポストは12だったが、昭和12年日華事変が始まってポストは23と倍増(別の本でも増えてしまった将官やポストを減らしたらクーデタが置きそうなので矛を収めるのは難しかったと書いてあったが納得できるところ)。陸軍ではゼロだったが海軍大将の戦場戦死は二人(山本五十六と古賀峯一)、戦死後昇進したのは南雲忠一、高木武男、伊藤整一の三人。ほかにも最初の海軍大将は西郷隆盛の弟従道であったこととか知識として無駄ではない事柄がたくさん掲載されている。
しかし正史に対する裏面史についての断片の集積であってそれ以上のものを求めるのは著者に対して失礼であろう。
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透光の樹 (文春文庫)
赤坂の喧騒の中にいる業界人 郷が、25年ぶりに訪れた北陸で出会った、千桐(ちぎり)。”恋心、と呼ぶより下心にしてしまった方が気が楽だ”とうそぶいてみる。でも、”自分がまだこういう妙な感覚に揺さぶられることが可能なのだと、驚く。下半身の単純な欲望ではなく、体のもっと上の方、胸のあたりから、切なくうずきながら下半身に訴えかけてくる感覚”を覚えながら恋に落ちていく。そして相手を包み込むような体制での交わりに、安らぎと興奮を覚えていく。そうして、一人は朽ち、一人は心に恋を秘めたまま、ゆっくりと歳を経て行き、そのドラマは胸に秘められる・・・・。そんな情景が、丁寧に丁寧にキャンパスに色を重ねるように塗りこめられて行き、読み進むと豊穣な吟醸酒を口に含んだ時のように、口に芳香が広がる。こういう丁寧な叙事詩は、女性の作家の方が味わいがある。 私は、ナットキングコールの”キサス・キサス・キサス”の懐かしい声を聞きながら、東京と北国の恋に想いを馳せ、文章を味わった。
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透光の樹 [DVD]
初めはお金で身を売ったつもりが、段々と不倫になり最後には恋しい人へと変わっていく。同世代からみたら秋吉さんの若い子には出せない色が、裸になっても嫌らしくなくて良かった
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浜田翔子 コスプレ☆トランス 踊りましょーこ(DVD付)
ヘソ出しミニスカセーラー服姿の翔子ちゃんカワイイ。付属DVDのルーズソックスにムチムチ太ももに白のパンティもシコシコタマンナイ。間近で見たら興奮しまくりだろうなあ。床掃除なんか後ろから撮って欲しかった。こんなミニスカはいてたらいつもパンツ丸見え状態じゃん。歌もウマイしセクシーだ。
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きのこ文学名作選
不思議な本だった。主役はきのこ。きのこを題材にした古今の文学作品を集めた本だ。狂言や今昔物語などの古典からいしいしんじまで16編が並ぶ。
うっそうとした薄暗い林間にひっそりと生えるきのこたち。色とりどりに美しいきのこはもしかしたら毒を持っているかも知れず、食べられそうな地味なものでもどことなくあやうさやはかなさを伴っている。この本に登場する作品はそれらきのこの特徴をうまく捉え、ときにはエロティックに、ときには滑稽にきのこを描く。どれも小編でありながら楽しめた。個人的なお勧めは加賀乙彦の「くさびら譚」。
そしてなにより特筆すべきはこの装丁。なんという豪華な本だろう。何ページにも渡って文字のない真っ黒なページが続いているかと思うと、実は少しずつ紙質が変化していて手触りだけがその変化に気づく。ときには本をぐるりとひっくり返さなければ文章が読めなかったり、光にかざしてようやく文字が読み取れる作品もある。ボール紙のような分厚いページが続いたかと思うとわら半紙のようなざらりとした質感のページに変わっている。フォントもレイアウトも統一性がない。けれども楽しい。きのこのように怪しく美しい本の中に入り込むうちに、自分が薄暗い木の下闇のなかできのこにたぶらかされているような気持ちになってくる。
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