ジャック・ティボー ランキング!

ジャック・ティボー アルカトラズからの脱出 [DVD]

起伏の少ないストーリー展開、中庸のサスペンス、抑えた感情表現……。これは渋すぎる。ブレッソンの「抵抗」がハリウッド流に移植されたのかと思うぐらい、虚飾を削ぎ落とした脱獄映画だ。ロードショー公開以来、劇場を含めてもう30回ぐらい見ている。「男の意地?」「刑務所内の義侠心?」そういったものが感じ取れないわけではないが、そうした情感はとことん沈潜している。その沈潜具合が抜群にいい。それのどこがいいのかと問われると返答に困るのだが、とにかくいい。個人的には永遠に浸っていたい映画的時間がここには流れている。 アルカトラズからの脱出 [DVD] 関連情報

ジャック・ティボー ルネ・ラルー コンプリートDVD-BOX

ラルーの各長編はすでにDVD化されていたが、「出るだろうな」と待っていたボックスが遂に!どう考えても最終版です。買っておきなさい。制作当時でもすでに「アニメは子供のもの」という考えとの戦いは手塚治虫の実験作などで極一部で払拭が始まっていたものの、長編ではまだまだ・・・。このボックスはその「まだまだ」の時代を実に20年以上も先を走り、さらに実験作が短編ではなく長編であるというほとんど発明に近い<ラルー作品を再評価するものだ。世界的にこのボックスは垂涎ではないだろうか?それにしたって「ファンタスティック・プラネット」の容赦ない怖さ。何度観ても「これ、子供が観て喜ぶかよ?」という仏国奴隷制への嫌悪に裏付けされたフリーキーなシーケンスが続く。今でもここまでの作品は間違いなくメジャーの制作会社や映画会社はドン引きだな。。。音楽のサイケデリックな効果がこの2年くらい前にCD化で再評価されたが、映像で観るとさらに気分が悪くなる(誉めてます)。「時の支配者」もプロダクトも惑星もデザインは「エイリアン」そっくりで気味が悪いし効果音はヒステリック(大きな音で観るとかなりすごい。音を頼りにするSF、という発想がそもそも素晴らしい)、「ガンダーラ」は首なし人間が出てくるし、ルネサンスでゴシックだし。。。要するに子供にも容赦ない。台詞もいちいち気が利いているので、英語の字幕があればイギリス、アメリカのマニアックな友人たちにプレゼントしたい!自慢気に子供に見せる姿が目に浮かぶのだけど。いずれの作品も色の使い方が極めてポップ。全体に暖色を多様しているので子供の不快感も和らぐ。10代の僕が観て魅了されたのは色使いの力だったのだなあ。人物の動作も実に機敏、実に滑らか。これほど不自然な絵による不自然な話が自然に観えるのが奇跡。「時の支配者」の”蓮の子供”なんて最高である。デザインが素晴らしいのに作りがヤワなボックス(容器)が残念。でも数年後には世界に自慢できるボックスになっているはず。だから、買っておきなさいってば。 ルネ・ラルー コンプリートDVD-BOX 関連情報

ジャック・ティボー ジャック・ティボーI

ホトキ式蓄音器で再生されるSPの美音に聞き惚れる幸せなひととき。単純にCD化されただけでは、この味は絶対に出て来ない。央年の大家達の、この方式による復刻を待ちわびています。 ジャック・ティボーI 関連情報

ジャック・ティボー ジャック・ティボー

ティボーは魅力的だ。細身だが芯のある音色、語りかけるような運弓、艶っぽいポルタメント……。どれを取っても浪漫に溢れている。時は1930年前後。二つの大戦の狭間に位置するこの年代は、19世紀風の浪漫主義を引きずりつつ、今日的な即物主義も擡頭してくるような、多様な時代であったと思う。ティボーは明らかに浪漫主義に拠っている。弾き崩しや省略など、今日的な角度だけで見ると、評価を違えてしまうだろう。だいいち、音程の正確さだけで技術の巧拙を決めてしまうような耳には、ティボーのヴァイオリンは、ただのフラット気味の冴えない音にしか聞こえないだろう。現代のヴァイオリン奏者が、熱心な愛聴家にティボーを薦められたものの、どう評してよいか迷ってしまった、などという話も聞いたことがある。どうも、現代人がティボーを受容するには、一度、即物主義万能の価値観を拭い捨てなくてはならないようだ。その覚悟がない人は、ティボーと無縁だったと諦めた方がよい。一方、昨今の若い奏者が、無闇矢鱈と技巧に走ったり、過去の名演の二番煎じをしたり、はたまたアイドル顔負けのルックスを前面に押し出したりする風潮に対し、嫌悪する側にいる人は、ティボーを聴いてみるといい。其処は彼と無く漂うアンニュイさ。時に朗々と、時に訥々と語るコントラストの豊かさ。彼独特の運弓は、ヴァイオリンをうら若き乙女に見立てて愛撫するかのように柔らかい。そして、そこから生まれる音には、熱き血潮が滾っている。オーパス蔵の復刻は素晴らしい。音に芯がある。SP特有の盛大なノイズを敢えてリダクションしなかったのが奏功しているのだろう。カートリッジ一つ、コード一つで音が変わるとされるレコード復刻で、よくぞここまで実在感のある音を引き出したものだ。尤も、演奏中の随伴現象すら悉く雑音として切り捨てるような、現在跋扈する機械的な録音に慣れた耳には、受容不可能かも知れない。己の感性と耳を試されるだろう。あらゆる意味で現代には求められぬ演奏・録音である。これをアナクロニズムと笑わば笑え。 ジャック・ティボー 関連情報

ジャック・ティボー ヴァイオリンは語る (白水uブックス)

誰しもがどうしても忘れられない言葉を持つものだ。私にはこの本の一篇に収められた詩人の言葉がそれにあたる。かつて私に希望の言葉として響いたこの言葉は今も失われていない。彼は著作のうちでパリは人を選ぶと言い、また自らが招き入れられたのだと言う。「ティボーがパリに選ばれた」そのことがどれだけの意味を持つというのだろう。恐ろしいことのようにも感じる。しかしことを判じるのに憚りを感じる。パリが選んだのは二度と現れない者であったからではあるまいか。とてつもなく強大な力の坩堝となるところのパリで生きることのできる選ばれし者―つねづね天才には努力の才が多分に含まれるものと思うのだが、そのことはまるごとティボーにあてはまるにちがいない。ティボーに語ったヴェルレーヌの言葉が忘れられずにいるのだ。 ヴァイオリンは語る (白水uブックス) 関連情報

Silent Tone Record/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲5番,シューベルト:ソナチネ3番,モーツァルト(クライスラー編):ロンド/ジャック・ティボー、シャルル・ミュンシュ指揮


ジャック・ティボー 最新動画

ジャック・ティボーは、フランス出身のヴァイオリニスト。フランコ=ベルギー派の代表格として知られ、フリッツ・クライスラーと並び称された。
ボルドー市の音楽教師の息子 ...




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