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太田蘭三 白の処刑 (講談社文庫)

作者の太田蘭三氏はこういっている
「冤罪を生み出す構造は、いまも司法機関の中にある。だから、凶悪犯罪の渦中にまきこまれてしまい、有力容疑者とにらまれた場合、明確なアイバイがないと、きわめておそろしいことになる。偏見捜査から、強制、拷問、脅迫によって、いったん虚偽の自白をさせられてしまうと、無実の罪どころか、無実の者の処刑さえ起こり得るのだ。この小説は、このこわさに挑んだものである」
北秋川渓谷でおこった資産家一家の殺人事件。ひょんなことで日雇い労働者の石破実が逮捕された。当然、石破は無実であるが、度重なる刑事の拷問、脅迫、そして十分に食べ物や水さえ与えてもらえず、夜中にもわざとらしくおこされる日々の毎日による不眠症。精神的にもまいり、神経もずたぼろにされ、また拷問、そしてしまいには暴力。そして精神的に追い込まれた石破は自白を強要され、ついに虚偽の自白をしてしまうのである。裁判にかけられ、納得いかない点が多いものの、自白をしてしまった事実があるため、判決は有罪、死刑。腹違いの妹の恵美は兄の無実を信じ、逃獄に挑戦するが、ついにその日は来てしまい...
これはフィクションであってある意味ノンフィクション的作品でしょう。刑事の身勝手な拷問場面には恐怖とこれ以上ない怒りを覚えた。こんなことが実際におこなわれているとしたらどうだろう。これは奇跡的な最高傑作です。ミステリー好きには絶対×99お勧め!!!日本ミステリー小説の社会派最高傑作です。 白の処刑 (講談社文庫) 関連情報




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