連城三紀彦 ランキング!

連城三紀彦 もどり川 [DVD]

主演(ショーケン)、監督(神代)、そしてタイトルが気に入り以前から観賞したかった作品。狂ってるのに正当にすら思えてくる圧倒的な存在感と説得力が力強い、ギラついたショーケンにもっていかれた。女優陣もレベルが高く、みな体当たりで魅力的。画質も問題無し。 もどり川 [DVD] 関連情報

連城三紀彦 私という名の変奏曲 (文春文庫)

車にはねられ、顔に傷を負った少女は、整形手術を受け、絶世の美貌を手に入れた。

のちに、世界的なファッションモデル・美織レイ子となった少女は、整形
してからの人生で関わった七人の男女と、互いに殺意を抱くようになる。

そしてついに、七人のうちの「誰か」が、毒入りグラスとレイ子の
グラスをすり替えた。それがレイ子の計略通りだったとも知らずに……。

 一人の被害者を、七人の男女が、それぞれ同じ手口、同じ
 場所で殺害したという、不可能現象が扱われている本作。

 SF的設定が導入されていない本作では、超自然的要素が何ら
 介在することなく、作中できちんと、合理的な解明がなされます。

 本作で用いられているトリックには突っ込みどころもありますが、“犯人”の
 心理に強烈に作用するものなので、不自然とまでは言えないと思います。 私という名の変奏曲 (文春文庫) 関連情報

連城三紀彦 戻り川心中 (光文社文庫)

短編集で「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編が収録されている。最初の「藤の香」で、なかなかやるなと思い、腰を据えて読んだが、やはり何といっても白眉は最後の「戻り川心中」だろう。

この作品は直木賞の候補になったが、残念ながら受賞までには至らなかった。ただ、その年の日本推理作家協会賞短編賞は受賞した。その後、「恋文」で直木賞を受賞したが、文章の上手さは当時から定評があった。

例えばこういう文章に私は弱いのである。――人の命が、あの一房の花を葬るための儀式ならば、そして人と人とが後ろ姿で言葉を交わし合って通りすぎていくものならば、代書屋やお縫が無言の背で、黄泉路の闇に運ぼうとしたその真相を、やはり私も後ろ姿で見送ってやりたいと、そう思うのでございます(「藤の香」より) 。

さて、「戻り川心中」の凄いところは、天才歌人を主人公にしているのだが、その「歌」もなかなかのものなのだ。勿論、素人の私に歌の良し悪しは判るべくもないが、その切なさが、しっとりとした情感と共に、心に染み入ってくるのである。 戻り川心中 (光文社文庫) 関連情報

連城三紀彦 小さな異邦人

巧みな修辞、心理描写、そして意外性。
それらを撚り合わせた、細密にしてミステリアスな情念の宇宙。
そんな連城作品の魅力は、この作品集でも健在だ。

例えば表題作の『小さな異邦人』―。八人の子供がいる大家族に、誘拐犯からの身代金要求の電話が掛かってくるが、八人の子供は全員その場に揃っていた…。
そんな奇妙な導入部から意外なツイストをへて、不可解な誘拐事件が思わぬ真相へと着地する。

鮮やかな匠の手さばきを思わせる作品ぞろい。
危険な香気をはなつ蠱惑の美酒のような連城作品の味を、この一冊でも変わることなく楽しむことができる。

初期作品から、常に期待を裏切ることなく、胸おどる読書の時間をあたえ続けてくれた氏の作品群。突然の訃報は、ただ驚かされるばかりだった。
遅ればせながら、連城三紀彦氏のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。 小さな異邦人 関連情報

連城三紀彦 棚の隅 [DVD]

丁寧なドラマでした。

8年前に幼子を残し出て行った前妻と再会します。
互いに人生の岐路を迎えています。

・前妻との再開
・おもちゃやから次ぎの仕事への踏ん切り
・前妻の結婚

新しい人生に踏み出すために、忘れられない過去としっかり決着をつけていく という話なのですが、
たんたんと進んでいくんです。特に大きな展開や仕掛けもなく、丁寧に丁寧に、、、、。
渡辺真起子さんの演技がすばらしく、ついつい最後まで見てしまいました。
映像は低予算映画らしく、昼のドラマのようにちゃちいところ満載ですが、
渡辺さんのしぐさや表情がこの映画全体に安心感を与えてくれています。
また、内田量子さんもほとんど不機嫌そうにしているのですが、子供と手をつなぐシーンの笑顔は
最高です。このシーンの為にこれまでの演技を伏線にしていると思わせます。

個人的には、設定をもう少し過去の時代にしてほしかった。おもちゃやの寂れ感がやや弱いので。
また、シーンに合わせた音楽をもう少しつけてもらえると、もっと楽に見続けられると思いました。
棚の隅 [DVD] 関連情報




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