ペーター・シュライアー ランキング!

ペーター・シュライアー ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》 [DVD]

今年生誕100年を迎えるカラヤンの企画の一環として、待ち望んだリリースの1枚。今まではLDでしか眼にすることができず、しかもとっくの昔に廃盤となっていたので、この復刻は何より貴重だ。内容は、演出まで自ら手がけたというカラヤンの、「映像芸術への熱い思い」がよく伝わるものだ。冒頭のラインの乙女達の扱いやヴァルハラ城の佇まいなど、本当にこの作品を映画化したかったのだというイキゴミが痛いほど伝わってくる。カラヤンの「指環」は、CDにおいても純音楽的に向き合っていながら映画音楽的なスペクタキュラー要素にも事欠かないところが面目躍如であったが、映像が加わるとさらにそれを強く感じさせる。だが星4つにとどめたのは、今となっては映像そのものに古さが否めないこと、そして各歌手の演技がまったく中途半端なことだ。「歌っていないときに何もせずにボンヤリしている」歌手の時間が多すぎ、これはやはりキチンと演出家をつけるべきであったろうと思わせる。ただでさえマヌケなフローとドンナーなどはその典型。映像も、ハイビジョンを見慣れた今となっては、言っても詮ないことながら、全体に薄いヴェールのかかったような雰囲気で(敢えて意図したのかも知れないが)不満が残ってしまう。歌手であるが、予想外に(?)よかったのはファスベンダーのフリッカだ。というか、いつも観ているレヴァイン盤でのルートヴィヒが嫌いなので(笑;この役にはピッタリだが)点が甘くなってしまう。しかし、彼女の妹であるフライアの方が明らかに老けているのは笑えてしまうが…。男声陣は総じてよい出来栄え。ヴォータンを歌うステュアートはカラヤンお気に入りの歌手で、悪くないが、CDでのF=Dを聴いてしまっていると「F=Dが見たかった」と強く思ってしまう。他ではシュライアーのローゲが好演。CDのシュトルツェも悪くなかったが、アクが強すぎた。音声・録音は秀逸なレベル。特にベルリン・フィルの弦の巧さがよくとらえられており、この作品の音楽的な側面を理解するのに好適だ。確かに、カラヤンの「指環」映像がこの作品だけになってしまったこと、しかもヴォータンがF=Dでなかったことなど悔やまれる点もあるが、ここに来てDVDで再発されたことの方が、意義は大きい。 ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》 [DVD] 関連情報

ペーター・シュライアー クーベリック/ベートーヴェン:荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス) 作品123 [DVD]

最初のキリエが始まり、オッ! と思う。ただちに、音楽のテンションが高い、と印象。クーべリック氏の顔が真険かつ神妙。歌手たちも奏者たちも同じ。演奏会場も飾りつけを排し質素な佇まい。演奏会というショー的な雰意気が微塵も感じられない。しかも、流れがゆるみなくよく歌わせている。音質もまた良い。高いテンションのまま次へ次へと進んでゆき、時間のたつのを忘れさるほど、聴かせる、そして観ていて心地よい。日本語の字幕が入るのも良い。惹き付けられて鑑賞しつつ、聖書に記されているイエスの存在がいかに深いインプレッションを人々(作曲家、演奏家、全世界の人々に)にもたらし続けているのか、を如実に反映している演奏だとつくづく考える。べートーヴェンの交響曲にもこういう精神が宿っているのを気付かされる。深い楽想が奏者たちの心を突き動かし、それが音となって聴く自分の心をも突き動かしている。バイオリニストが弾きながら目に涙をいっばいためている。クーベリック氏の目にも涙が光っている。歌手たちも力の限り絶唱している。音楽でこんなに深く感動したのは本当に久しぶりである。 クーベリック/ベートーヴェン:荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス) 作品123 [DVD] 関連情報

ペーター・シュライアー NHKクラシカル モーツアルト 歌劇『魔笛』 スウィトナー指揮 ベルリン国立歌劇場 全2枚セット [DVD]

 2010年1月に亡くなったスウィトナーの追悼盤になった。東西ベルリンに分かれていた時代のベルリン国立歌劇場の来日公演。岡本稔氏はブックレットにこれが初来日と書いているが、1977年にモーツァルト・オペラ三作を来日公演したのではなかったか。そのときの公演記録も、もし映像が残っていれば是非復刻して欲しいものだ。宇野功芳氏がそのときの『コシ』は素晴らしかったと1980年の公演パンフに書いている。 1980年の『魔笛』の初日の公演は悠揚せまらざる演奏で、東京文化会館の制約か、舞台装置や演出はおとなしく、やや物足りないが、映像はきっちり撮れていて、音は十分に良い。歌手ではゲルトバーナー盤でも素晴らしいファレヴィチのパミーナがダントツに良い。パパゲーノ、ザラストロの男声陣も良い。ナーヴェの夜の女王は第2幕のアリアが良い。合唱やアンサンブルは聞きもの。『魔笛』は、東京・横浜大阪・名古屋で七夜公演された。他には『ジュリアス・シーザー』が二夜、『セビリアの理髪師』が四夜、『モーツァルトの夕べ』(アリア抜粋と『戴冠ミサ曲』)が二夜の公演予定だった。 字幕公演の時代でなかったからだろうか、観客の反応がさびしい。笑い声や歓声がほとんど無いのだ。本場の舞台を息をつめて見つめていたという感じである。 NHKクラシカル モーツアルト 歌劇『魔笛』 スウィトナー指揮 ベルリン国立歌劇場 全2枚セット [DVD] 関連情報

ペーター・シュライアー ブラームス歌曲集

1975年シュライアー40才の時の録音です。ブラームスの歌曲はフィッシャー=ディースカウの録音で好きになりましたがアプローチが二人とも違っていとても面白いです。ディースカウは音響的な効果にとてもこだわっている様に思います。音程の取り方、ヴィブラートのかけ方とか。概してシュライアーの方が全体的にテンポ遅く言葉のパワーが強いです。こんな高い今日で歌えんの?と思う様な曲もばっちり高音決めるのでとても気持ち良く聴けます。Meine Liebe ist grün がこんなに素敵な曲だとシュライアーの歌で改めて知らされました。対訳、解説ありです。 ブラームス歌曲集 関連情報

ペーター・シュライアー シューベルト:名歌曲集「野ばら

 ドイツグラモフォンは、LP時代から時折、この類いの、シューベルトの歌曲集の編集ものを出しています。LP〜CDの出された年代によって、古い歌手から新しい歌手へと少しずつ入れ替わっていきますが、CDに限っても、BEST100あたりで、少なくとも3枚は入れ替わっています。まあ、初心者向きということでしょう。曲目は有名なものばかりです。しかしDGが誇る歌手陣を惜しみなく投入してありますので、本当に楽しく、感動を持って鑑賞することができます。コンピレーションだから、初心者向きだからと馬鹿にはできません。 さて、中で一押しはCDとしては初めて(だろう)の盤です。フィッシャー=ディースカウ、ヴンダーリヒ、シュトライヒ、ヤノヴィッツ、シュライヤーなど、多くの名歌手の歌を聴くことができますが、中でも、クリスタ・ルートヴィヒの歌う「アヴェ・マリア」は絶品です。二十歳の時にこれを聴いて30年、その深くて温かい歌唱を聴くたびにいつも敬虔な気持ちにさせられ続けています。中古品しかなく、現在の価格は高価ですが、もし良ければ手にされて、名歌手達の競演をお楽しみください。 シューベルト:名歌曲集「野ばら 関連情報




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