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島田紳助の現在は 死霊の罠 [DVD]

池田敏春監督による本格的な和製スプラッター映画元祖作として、日本のホラー映画史に刻まれる傑作スラッシャー・ホラー(1988年製作)。劇場公開後(ビデオ・レンタル・ブームにも便乗した形で)、スプラッター映画ブームを巻き起こした、「死霊のはらわた」(81年作、日本公開85年度)に触発され、製作された極めつけの一本である。本作はアメリカン・スラッシャー(次々と能天気な若者達が殺人鬼の餌食となる「13金」タイプ)と、イタリアン・ホラー(アルジェントやフルチ映画等の猟奇的な残酷描写と裸体サービス)、そして、陰惨な日本のビデオ(85年作「ギニーピッグ 悪魔の実験」等のスナッフ・フィルムの再現を目指した表現)を取り入れる等、工夫や着想や趣向が凝らされた作風なのである。<単なる欧米ホラーのパクリでは無く、品質改良や事柄の追求、勤勉さがある日本人気質が感じられる作品。>差出人不明のビデオテープの映像を通して、観る側を翻弄する凄まじい虐殺光景で幕開け。眼球突刺しは朝飯前、女の身体がズタズタに切り裂かれる超残酷描写が、冒頭シーンから展開され、気合の入った特殊メイク効果が衝撃・圧巻である。<スプラッター・マニアの心を鷲づかみにする巧みな演出である。>小林ひとみを起用した濡れ場サービスも期待通りであり、彼女の死に様がこれまた凄まじい。「オーメン」(76)張りの突発怪死光景であり、残忍極まりない無慈悲な特撮シーンが炸裂する。更に惨殺死体を食肉用フックに引っ掛け、吊りチェーンで移動させるという露骨な悪趣味ぶりも披露されている。凝った殺人シーンが続々登場。紐縄で首を括られた女が、車の向こう側から引っ張られ、其のまま地面に叩きつけられる。首の折れる音がエグイ。その他も単なる突刺しではなく二段構えの手口とか、特殊な仕掛けを使っている。更に超能力殺人まで、突き進んでいく斬新奇抜な猟奇・残酷性の本領が発揮された演出効果。主人公を演じる小野みゆきは、モデル出身だけあって日本人離れした長身と顔立ちがホラーな画面によく映えており、本間優二や桂木文(島田紳助もチョイ役出演)等の個性的な役者陣の抜擢起用も適材適所であった。クライマックスから、どんでん返しの連続でマニアック度が激化していく奇妙奇天烈な展開が待っている。オカルト、SF、殺人鬼要素を遺憾無く使い切ったラストのオチに脱帽。但し、人によって生理的嫌悪感を催すマニア向けの映画なのは言うまでもない。アメリカでも評価が高く和製スプラッター全盛期が来るかと期待されたのだが、例の「宮崎勤事件」等が祟って実現する事は無かった...至極残念である。<因みに92年に「死霊の罠2 ヒデキ」が製作されているが、一作目には到底及ばぬ出来であった...。> 死霊の罠 [DVD] 関連情報




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