今の時期に秋葉原レポートを出版するとは(笑)。その間の悪さも含めてカネヒラ節という感じで逆においしい。 ちょっと高いが内容テンコ盛りで、暇潰しに繰り返し楽しめますよ。 とりあえずそれで+オレに聞かれても (OKS COMIX) 関連情報
カネコアツシさんの新連載、『WET MOON』は第一話・濡れた月(前編)、と表記が有るので連作短編形式かもしれません。
前作『SOIL』が傑作ながら大長編で、途中から読む身には少々敷居が高かった為、カネコさんの短編の名手としての業前も久し振りに楽しめそうです。
60年代の観光都市を舞台とし映画的技法を駆使した緊迫感漂う犯罪捜査物で、主人公の刑事「佐田」自身も胡散臭く、実に次号が楽しみな新連載です。
他の連載陣では再開とオマケのブロマイド&ブックカバーも嬉しいヤマザキマリさん『テルマエ・ロマエ』は新皇帝となる予定だったアエリウスの急逝に因って更に重責がルシウスに掛ります。引きが見事。
同じく掲載再開の新井秀樹さん『SCATTER-あなたがここにいてほしい‐』はこんな攻撃的な作品が一般商業誌で読める幸せに身震いする一品。主要登場人物の女性編集者沢田がどんどん魅力的になって行きます
しりあがり寿さん『希望』には先号以上にびっくり。ネタバレ厳禁のこれも問題作。
タイム涼介さん『-I.C.U.-』はお祓いの現場のゴタゴタをスリリングに描くと共に、作中で設定されている「優秀な除霊屋」の条件が斬新です。
後も『イムリ』、『血まみれスケバン・チェーンソー』、『まんが極道』、『春山町サーバンツ』、『限界集落温泉』、『放浪息子』、『庭先塩梅』、『夜は千の眼を持つ』、『ぼけまん』そして泣ける『ママゴト』等毒と笑いと感動に溢れたひと癖もふた癖も或る連載作が多い読み応えの有る雑誌です。
漫画好きな方にはお薦めです。
p.s.先月号で最終回を迎えた前作の後を受けて、金平守人さんが29歳女性占い師(独身)を主人公にしたコメディ漫画で新境地に挑んでいます。
月刊コミックビーム 2011年6月号 [雑誌] 関連情報
上巻はサルまんの内容をエロ漫画に特化した内容でしたが、下巻ではアシスタント編、持ち込み編とあり、サルまんとは違ったストーリー展開となっていました。特にねこみみ7先生のアシスタント時代に知った最近の業界の裏話についてはとても面白かったです。
ただ上巻のようなエロ漫画に対する研究的な要素&笑いが減っており、一冊の本としての面白さは上巻ほど感じられませんでした。そのためか、サラッと読み通せてしまいました。そういう意味では上巻のあとがきにあった「エロい顔の描き方」「エロいポーズの描き方」「エロい下着の描き方」といったものを笑いも含めて盛り込んでもよかったのではないかと思います。その点が残念でした。
エロ漫の星 下 (ヤングコミックコミックス) 関連情報
シリアスからギャグまで描く能力がありながら、あえて
「しょうもないこと」を書き続けるカネヒラさん。
新キャラクター(?)の「なんでかくん」に小学校3年生の「田中テポドン先生」再登場
10年以上コミックビームの巻末は譲らない金平守人のシリーズ5作目です。
連載時のハシラも再現された完全版、いつまで続くかこのシリーズ。
金平deR 完全版 (ビームコミックス) 関連情報
我が妻との闘争 1 (KADOKAWA CHARGE COMICS 15-1)
単行本を先に読みました。そちらでは残酷な仕打ちを受ける呉エイジさんに(爆笑しつつも)
素直に同情できたのですが、漫画版ではダメ夫ぶりが強調されており、逆に嫁さんに同情し
てしまいますね。同じ内容が書いてあるはずなのに不思議なことです。金平さんが描くことに
よって客観性が出たのでしょうか?あるいは金平さんは嫁さんの味方?
とはいえ、呉エイジさんにも同情すべきところはありますし、思わず応援したくなります。
ここまで自分のダメダメぶりをさらけ出すことは、なかなかできることではありませんし、
なんだかんだいっても嫁さんを立て、自分を貶めることで面白さを際立たせています。
頑張って下さい!
我が妻との闘争 1 (KADOKAWA CHARGE COMICS 15-1) 関連情報